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2011年 07月 18日
Let's walk before they make us run. 01
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リーダーの胸ポケットには、「がんぱっぺ」の文字が。


7/1-6まで石巻で炊き出しボランティアをしてきました。
そのレポート記事を書こうと思っていたのですが、
5月、6月の時よりも写真が少なく、同じ活動の繰り返しだったので、
今回は日記ではなくテーマごとに記事にしてみます。

なお、この記事は2011年7月6日までの話です。
被災地の情報は日々急激に変化していますので、
この記事の内容が現在の情報と異なる場合があることを最初にお断りします。

「石巻ボランティア支援ベース"絆"について」

僕が参加しているボランティアチームを紹介します。
被災地では数多くのNGO、NPO、様々なボランティアチームが活躍しています。
僕が所属しているチームは、ちょっと変わっていて、特定の団体ではありません。
様々な"職人"の集まりです。
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代表者の一人、吉村誠司さん(通称・助さん)
吉村さんは、長野県で林業を営んでいます。
阪神淡路大震災直後、神戸に入りその後13年間神戸の復興を支援しながら、
ナホトカ号重油流出事故、パキスタン地震、中越地震、四川省地震、
ハイチ、インドネシア地震、台湾地震など、世界の被災地に真っ先に駆けつけてきた人です。
今回の東北311の地震が起きたときには東京にいたそうですが、
翌3/12午前5時!には、被災地にいました。
エンジン式のコンクリートカッター(チェンソー)を片手に、
崩れた家の壁を切り開いて人命救助にあたり、
震災発生後72時間活動に文字通り命をかける、日本を代表するボランティアリーダーです。
気仙沼、大船渡、陸前高田での活動をへて、石巻に移動したそうです。

吉村さんのサイト
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そして吉村さんと同じような活動をずっとされている黒沢司さん(通称・クロさん)
黒沢さんのサイト
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四万十塾(高知・四万十川のカヌーガイド)の塾長とーるさん(身長193cm!)

この3人の出会いは神戸の被災直後のボランティア活動だったそうです。
今回の震災直後には、各自が別々に被災地入りして救援活動をおこない、
連絡をとりあいながら石巻に集まって、市内の公民館を半年賃貸契約し、
"絆"というベースセンターを作りました。
当初ここでは物資配給などをしていましたが、
4月以降は資材置き場、炊き出しの食材倉庫、
そしてボランティアの寝泊まりする場所になっています。

四万十塾のサイト

そんな3人のボランティア活動ベテランリーダーのもとに、
全国から仲間が集まっています。
瓦礫撤去に大活躍しているチェンソー部隊(林業)、重機チーム。
復興の手伝いをする大工チーム。
また津波が襲った町では水が数日ひかなかったので、
その時から活躍しているカヌーチーム。
震災直後からずっと続いている炊き出しチーム。
避難所をまわって被災者のケアをしている整体チーム。
他にも色々な"職人"たちが、口コミで集まっています。
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"絆"を裏で支える事務スタッフ。
その代表は、地元石巻の茂木さん。
彼もまた被災者でありますが、毎日多くの雑用、役場とセンターのパイプ役になっています。
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事務スタッフの業務は山のようにあります。
朝から晩までひっきりなしに電話がなり、
メールでの連絡事項、現場に散っているボランティアから緊急連絡が入ったり、
全国から届く支援物資の仕分けなど、眠る暇もないほど。
11時の消灯後も暗闇の中で、PC作業などをしています。
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こんな"絆"に僕を誘ってくれたのが、写真家の友人、有人君です。
とーるさんとは長いつきあいだったそうで、4/1から石巻入りしていました。
彼はいつも明るく、疲れているみんなを笑わせてくれます。
そして誰よりも粘り強く、避難所などと交渉話し合いをしています。
彼が避難所に行くと、そこの子供達が、
「ありとだ、おーい、ありとー」
と集まってくる人気者。
(最初は、ありとさん、ありとくん、だったそうですが、
 今では小学生に呼び捨てにされるほど親しまれています)
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"絆"では、毎朝7時から30分間のミーティングがあります。
全チームの活動報告があり、
たとえば炊き出しチームで人数が足りない時に、
ガテンチームから救援があったり、その逆もあります。
毎朝の報告で全体の流れを全員が把握することで、
各自の活動に結びつきます。
そして、ミーティング最後には、いつもの連絡事項。

「本日の満潮時間は、-時-分です、沿岸地域で活動している人は注意しましょう。
 自分が今どこで活動しているか常に地理を把握しましょう。
 あたりの壁を見れば、津波がどの高さまできたか跡が残っています。
 余震があり、津波がまた来ると思って活動しましょう、
 遠くに逃げるのではなく、高いところに逃げる、
 活動する前にどこに逃げるか確認して下さい。
 単独行動は禁止です、必ず2人組バディをくんで下さい。
 安否確認がしやすくなります。
 車の場合は、窓をあけてラジオをつけて。
 渋滞したら車を道路脇によせて、鍵をつけたたまで逃げましょう。
 忘れ物を取りにいかないこと、バディ以外の仲間を探しに行かないこと、
 人を助けようと思わず自分が助かることを最優先して下さい。」

朝のミーティングは和やかな雰囲気でもあるのですが、
この最後の言葉をきいて、被災地にいるのだと全員が身を引き締めます。
そして、
「今日も元気で、ファイトいっぱーつ!」
のかけ声とともに、7時30分に全員が活動場所に散っていきます。
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他にも紹介したい仲間はたくさんいるのですが、今日はここまでにします。

(つづく)

by moonisup | 2011-07-18 21:51 | volunteer


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