2011年 09月 29日
「久しぶりー、元気だった?」 二ヶ月ぶりの再開。 彼は一瞬の間をおいて、僕に飛びついてきました(あえなく倒れたオレ) 石巻市大街道小学校は僕が初めて炊き出しをした現場です。 5月の頃は、一回に700食でしたが、9月には40食分で、 夕飯にそえる味噌汁作りのサポートです。 料理作りをしてくれる人たちに、お茶やお菓子の差し入れをして、お話しを。 「今日、あんた一人なの?」 「はい、そうです」 「友達いないの?」 「そうなんですよー」 「あはは、やだもう、東京からだっけ」 「はい」 「ご苦労さんだね、ありがとね」 「で、なんで一人なの?」 「仲間が和歌山にも支援に行っているので、人手不足なんですよ」 「和歌山も大変なんだって?避難所暮らしの人いるの」 「そうみたいです」 「あたしが行ってあげたいよ、避難所生活のノウハウおしえてあげたい」 「いやいや、それどこじゃないでしょ」 色々な事情で最後まで避難所に残っている人たち。 なんだかとても強く明るい人たちです。 「あたしさ、久しぶりに服買ったのよ。ずっと配給品ばっかりだったから。 ようやく好きな服買ったの」 9月の秋空の下、体育館から明るい声がもれてきます。 日が短くなりました。 夕方6時、夕飯の配膳開始。 「まだ残ってる?」 「あるよ−、いっぱいおかわりしてねー」 子供がいる避難所は全体的に雰囲気が明るく、活気もあります。 「よ、元気だった?」 「おう、久しぶり、そっちは」 「部活でちょー大変。ここも人減ってつまんなくなったよ。あと、日本史難しいー」 「何でもきいつくれよ、日本史なら」 「まじ、じゃあ平成から縄文まで逆に言って」 「ぎゃくに?なんで?」 この子のお母さんとも少しお話しをしました。 「夏に写真送って下さってありがとうございました、 お礼の手紙書きなさいってて、言ったんですけど、」 「いいですいいです、中1男子が手紙なんて、恥ずかしくて書けないもんですよ」 自分の子供と年齢が近いからか、なんだか気になる子で、 この時はずっと「ハガレン」の話をしていました。 「11.5巻読んだ?」 「もちろん」 「映画行ったんだ」 「息子がね」 「へー」 「行ったの?」 「うん、仙台まで観に行ったよ、石巻では映画やってないから」 「そっか」 写真左のお父さん、2年前まではスノボをしていたほど元気な方です。 「最近は体調悪いんだけどさ」 と夕飯は、お味噌汁だけを大盛り食べています。 毎日夕飯サポートに行っていると、 「これ食べて、娘の婿が塩竃でマグロの仕事しててもらったから」 と、マグロ切り身の醤油漬けをいただいてしまいました。 あまりの旨さに感動。 (避難所でマグロもらってるオレって、、) これは仙台から手伝いに沼田君が来てくれた時、 40人分の味噌汁を二人で運ぶの図。 避難所のあいかちゃんが撮ってくれました、ありがとう。 この避難所も9月いっぱいで閉じる予定です。 もうまもなく。 みんなどうしているかな、引っ越しは無事に終わったのかな、、 震災前には、近所、というのものがありました。 顔見知りの人がまわりにいるのが当たり前です。 でも、避難所に入ると必ずしも知り合いばかりではありません。 地域も年齢も職種も違う人たちが、狭い体育館で共同生活をして、 リーダーを決めて、班をわけて。 それは容易なことではありません。 そして、また各々が、色々な仮設住宅に散っていきます。 そこでまた知らない人同士で集まり、自治会を作らねばなりません。 めまぐるしく変わる状況でのコミュニケーション作りは、大変なことです。 (つづく)
by moonisup
| 2011-09-29 21:04
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