2006年 07月 22日
blue note
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とても鮮やかな色の青いシャツを着た女性が、
黄色い傘を持って立っていた。
急行を待つホームで。
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なんてきれいな青、と思いながら、読みかけの本に目を戻した。
すると突然文庫本の前を青いシャツが横切った。
その時の違和感は、後で気がついたのだけど、
距離と時間だった。
前方に立っていた女性が、瞬時に僕の目の前を横切れるはずがない。
横を見上げると、まったく別の女性だった。
でも、その青いシャツは、左前方にいる女性のものと、
まったく同じシャツだった。
襟の形、袖の形、
撮影する時のアイロンをかけるときに、あの肘の部分は面倒だな、
とかそんなことを思わせるシルエットだった。
でも、とてもきれいな青。
二人の女性の青は、まぶしかった。
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左前方に立っている女性は、青いシャツに黒いスカートだった。
50代なのか60代なのかわからないけれど、姿勢の美しい人だった。
右側にいる女性は青いシャツに白いスカートで携帯電話をのぞいていた。
20代ぐらいだろうか。
僕には女性の年齢がわかる才覚はないし、そもそも二人の年齢などどうでもいいことだ。
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電車がホームにすべりこんでくると、
人々の動きはあわただしい流れになり、僕も混んでいる急行電車に乗りこんだ。
そのまま僕は文庫本にまた夢中になり(悲しいけれど面白い小説だった)、
いつの間にか終点の駅に着いた。
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JRに乗り換える方向の階段を上ると、いつものようにぎっしりと混んでいる。
ここの階段は狭いのだ。
するとさっきの青いシャツの女性が二人、並ぶようにしてゆっくりとした流れにいた。
前方にいる二つの青いシャツは後ろから見ると、まるで双子のようだった。
とても美しい二枚の青いシャツは、左右にわかれて人の流れにのみこまれて、
見えなくなった。
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by moonisup | 2006-07-22 09:59 | art


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