2006年 07月 31日
Paris・Tokyo てがみアート展
銀座・伊東屋ギャラリーで、8月4日まで、
「Paris・Tokyo てがみアート展」が催されています。
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日本とフランスの、手芸家(ニードルワーカー)の二人、
小倉ゆき子さん・ファニー・ヴィオレさんは、1988年の春に出会いました。
お互いの作品を見て意気投合した二人は、文通をはじめます。
最初、言語の壁があった二人は、お互いの作品を使って、会話を続けたのです。
得意の針と糸を使って、日常を表現して、相手に郵送しました。
それは布に限らず、草、食べ終わった貝殻、お菓子の箱、切符、
さまざまな物に、糸で描いたものでした。
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僕はこれで泣いたよ。
これは小倉さんの作品展がパリで行われた時のもの。
作品展のために日本から来た小倉さん家族を撮影したヴィオレさんは、
撮影に失敗。写真屋からあがってきたフィルムは真っ黒。
がっかりしたヴィオレさんは、その時の展覧会の様子、小倉さん家族を、
黒いロールのフィルム36コマ分に針と糸で描いたのです。
デジタルカメラ以前の時代。
誰もが撮影に失敗したことがあるでしょう。
現像から上がってきた写真を見て涙をこぼしたでしょう。
写っていないのなら、糸で描く。
こんなことをされたら、嬉しくてたまりません。
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これはバスのパスに、その日の出来事を刺繍したもの。

17年間の往復書簡を重ねて、現在、小倉さんは、すっかりフランス語が流暢になりました。
文字だけの手紙でも、電話でも、何不自由なく会話を重ねることができるのですが、
それでも、お互いに刺繍を使って、さらに往復書簡を続けています。

刺繍のテクニックがどういうものかは、僕にはわかりません。
でも、この二人の作品集はテクニック集ではなくて、アイデアのかたまりでした。
そして、それは相手への思いやりでした。
どうしたら相手に伝わるか、どうしたら相手が喜ぶか。
自分のための作品ではなくて、相手のための作品。
様々な賞を受賞している日仏の巨匠が交換した手紙の数々。
本当に素晴らしいものでした。
8/4までに、銀座に行く用事のある方、是非ごらんください。

(注・会場内は写真撮影禁止です。会場にいらっしゃった小倉さんにお願いして、
特別に撮影許可とブログ掲載許可をいただきました。
快諾いただきお礼申し上げます。)

展示に行かれない方々へ、すでにこれらの手紙は出版化されています。
てがみアート—手芸でつづる日仏往復書簡 (大型本)
書店で見かけたら、手にとってみて下さいね。

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by moonisup | 2006-07-31 21:14 | art


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