2006年 11月 28日
カメラの発明の歴史
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イギリス旅行記の途中ですが。
レイッコックで、フォックス・タルボット・ミュージアムを見ました。
レイコックアビーにあるこの小さなミュージアムの存在を
僕は行くまで知らなかったので、望外の喜びとなったのです。
イギリス旅行とはまったく関係のない話なのですが、
自分メモとして、記事にしたくて。
簡単なカメラ発明の歴史です。
(だらだら長いです。わかりにくいかも、、)



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カメラの基本構造は、16世紀にはあったとされています。
真っ暗に閉め切った部屋で、壁に小さな節穴があいていると、
外の景色が、穴を通って、反対側の壁に上下左右反転して映ります。
カメラオブスクラという言葉です。
カメラは「部屋」、オブスクラは「暗い」というラテン語です。
その左右上下反転した画像を、壁に紙を貼って描き写したのが、
カメラ・撮影の始まりです。
16世紀には、薬品を使って定着する方法がなかったので、模写のみでした。

暗い箱と小さな穴を使って、絵を描く方法は色々と発明されました。
実際に家を使わなくても、ミニチュアの箱を作って、紙を入れて描いたりとか。
それを、もっと簡単にできないか、と考えた人々がいます。

1826年、フランスのニエプスという人が、
紙の代わりに、道路工事で使うアスファルトを使いました。
8時間!光をあてて、アスファルトを固めます。
固まらなかった部分(露出の明暗差)を、油で洗うと、画像がでてくる、
というアイデアです。
でも、8時間だし、アスファルトなので、シャープな画像ではなくて、
「紙で描いた方が早い」と言われました。

次に、ニエプスは、ダゲールと一緒に、銀を使うことを考えます。
銀の食器や指輪が黒くなったりする性質を利用しました。
銅板に銀をぬって、写真を撮影することに成功したのです。
これを「ダゲレオタイプ」といい、1839年に発表しました。
写真の発明と言われています。
ただ、このダゲレオタイプは、複製ができなかったのです。
一枚の銅板が、そのまま写真・絵になるので。
(今現在のフィルムも銀を使っています。
 デジタルカメラに対して、銀塩カメラというのは、フィルムのことです)

そして、イギリス人のフォックス・タルボットが、
1841年に「カロタイプ(タルボタイプ)」という、
ネガポジ法を発明しました。
タルボットは、ネガの発明に成功したので、写真を複製することができたのです。
(タルボットのネガはフィルムではなくて紙を使っていたので鮮明な画像ではない)
タルボットは、撮影した写真を「自然の鉛筆」という写真集にして発行しました。
世界最初の写真集です。
これが、ここのミュージアムに展示してありました。

最初に写真を発明したのは、ダゲールでしたが、それはあくまでも記録写真でした。
イギリスのタルボットは、写真の発明家としてでなく、写真を絵画のように撮る、
アートとしての素養がありました。
窓の景色、ドアを撮るのに、ほうきをたてかけるなど、構図などに工夫しています。

これらのカメラの基本構造は、デジタル一眼レフになっても変わっていません。
暗い箱(カメラボディ)、小さな穴(レンズの絞り)、壁面(CCD)、
この三つの要素で構成されています。
壁面の部分が、
紙にスケッチ、アスファルト、銅板、ガラス、フィルム、CCDと進化しただけです。

(参考文献・1989年・僕の大学卒業論文より)

レイコックアビーの中に、タルボットが最初に撮影したという窓が残っています。
建物の二階は、撮影禁止なのですが、ここの窓だけ、撮影してもいい、とのこと。
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ネガを発明したタルボットに敬意を表して。
反転していると、なんだかわからないですね、、、
タルボットの撮影した写真は、こちら
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タルボットがネガを発明してから、165年。
カメラ、レンズ、フィルムと色々なことが進歩してきました。
世界中の人が、こんなに写真を利用するのは、不思議なことだと思います。
1980年代後半にビデオカメラが普及します。
それにともないカメラの売り上げが下がり、
写真はなくなりビデオの時代になる、
とまで言われたのです。
でも、現在、デジタルでもフィルムでも、とにかく写真はなくなっていなくて、
まだまだ世界中の人々に愛されています。
写真の魅力って何でしょうね?

蛇足のような記事にさらに蛇足なお話。

20年前、アシスタント時代に。
師匠(数多くいますが、もっとも尊敬していた写真家の人)に教わった話。
いつも昼酒を蕎麦屋で飲む師匠が、お酒を飲みながら。
「フォトグラフ、って、意味知っているかい?」
「写真です」
「違うよ。光で描く、って意味だ。写すんじゃないんだよ、描くんだよ」
「はい」
「いいかい、'写真'って、翻訳してしまった日本人は不幸だ。
 カメラで真実なんか、写りはしないだろう、わかるね」
「はい」
「目で見えたものを、そのまま写しちゃだめだよ。カメラは簡単かい?
 シャッター押せばなんでも写るか?
 ちがうだろ。
 光で描くんだよ、見て、感じた物を、描くんだ、楽しちゃだめだ、
 面倒くさがらないで、光でちゃんと描きなさい」

、、、 師匠、あれから20年、いまだに、難しいです(T^T)

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by moonisup | 2006-11-28 22:32 | photo


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