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2011年 12月 16日
Standing by you 06 絆
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福島県須賀川市に、"銀河のほとり"というレストランがあります。
郡山の南へ10kmほど。
震災前から安全な自然食を提供していて、今なお市民の安心のよりどころになっています。
ここには、たくさんの"おいしい"があふれていました。
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12月5日 月曜日
福島子ども元気村プロジェクト最終日、6時起床。
前日に子供達が帰ってしまったので、超手抜きのまかない朝食(余り物)。
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5日間お世話になった、金山町・自然教育会館。
廃校になった木造校舎ですが、手入れが行き届いているので、快適に過ごせました。
この町は冬真っ盛りになると積雪が2メートルになるそうで、
1月から3月はここは使えなくなり、元気村プロジェクトは、
民宿泊でスキー教室になります。
炊き出しもなくなるので、僕が次にこの町に来るのは4月以降になります。
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北海道釧路から来たガッテンの車。
彼は釧路でネイチャーガイドをしています。
311の直後に岩手・宮城に入り、
海水のまだひかない町で、カヌーを使って、人命救助をしていました。
海水に浸かった町を走った彼の車は、錆びだらけで穴まであいています。
夏の台風災害時には、釧路から和歌山へもすぐに駆けつけました。
政府や特定の財団から彼に支援があるわけではありません、
すべて彼の意志です。
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最後にスタッフで記念写真を。
中央でおどけているのが、金山町地元の方・お茶屋さん。
スタッフ全員本当に色々とお世話になりました、心より感謝です。
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ガッテンの車に乗せてもらい、金山町から、郡山の南、須賀川を目指します。
車窓からの景色は、あいにくの雨。
新緑の晴れた頃は、さぞ美しいことでしょう。
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そして車で2時間半。
薪ストーブのあるレストラン"銀河のほとり"へ。
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このレストランは、市民放射能測定所になっています。

僕たちはこの5日間、原発についてたくさんの話をしました。

今現在、原発内で処理作業をしている人にも会いました。
彼はもともと東電とはなんの関係もなく、別のエンジニアでしたが、
自ら志願して作業にあたっています。
津波で家族も家も失ったのだそうです。
「誰かがやらないと。友人には、命を削ってまでと言われますが、
 削っているのではなくて使っているのです。今使わないで、いつ使うのだと思っています。」
と、おっしゃっていました。

これは最終ミーティングの時に、ガッテンから聞いた話です。
スタッフとして参加していた20代の女の子がいます。
原発事故の知らせが遅れたため、数値の高いところに数週間住んでいて、
計測して驚き実家に戻ったそうです。
彼女は近隣の友人たちと、
「もう私たちは子供を産むことができないね」
と言っていたそうです。
ガッテンは噛みしめるようにして言いました、
「僕ら大人がなんとかしないと」
僕はなんの絵図面もなく、ただ漠然と、
「小さな子供達を救いたい」
と言いました。
ガッテンは、
「それは、疎開以外に方法はない」
と言います。
「それよりも、希望をなくした20代の若者を集めて、彼らにキックを入れるプロジェクトをしたい」
と言っていました。

僕らは口数少なく、夜冷える金山町で、そんな話をしていました。
(これは12月4日の話なので、その後彼の考えがどうかわったかはわかりません)
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銀河のほとりの食事は、本当に美味しく、5日間の疲れがほぐれるようでした。
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だいじょうぶ、僕たちは1人ではない。
地震、津波、台風水害、とんでもないことばかりですが、
それがきっかけで知り合えた仲間がいます。
誰も特別な存在でも、特別な力を持っているわけではありません。
1人の力だけで40人分の食事は作れませんが、
6名いれば700人分の食事を作ることもできました。

きっかけは、有人君が4月に石巻で撮ったこの写真を見たことでした。
ここから僕の石巻での活動が始まりました。
5月から11月は石巻で、そして12月に福島で活動ができたのは、
絆というボランティアチームに参加できたからです。
素晴らしい仲間達に感謝。
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最後になりましたが、この8ヶ月間、応援して下さった皆様に、
心よりお礼申し上げます。

今回クリスマスカード販売でお預かりしたお金は、
石巻から資材を運んだ自動車3台のガソリン代、
スタッフの食費や、子供達の食費の一部とさせていただきました。
(子供達の食費のほとんどは、金山町からの支援です)
応援金、励ましのメールの数々、本当にありがとうございました。
また今後も東北支援は続けていく予定です、
どうぞ皆様その時はまたよろしくお願いいたします。

(福島子ども元気村プロジェクト報告記事をこれで終わります)

by moonisup | 2011-12-16 23:05 | volunteer


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