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2013年 12月 12日
A new hope 03 誕生
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2013年12月2日
石巻では陶芸家・遠藤さんのところに泊めていただいています。
朝食に、スコーンを一緒に焼いて食べました。

2011年、12年は、ボランティアセンターで寝袋だったのですが、
「寒い、もう無理」
と悲鳴をあげたところ、
「うちへどうぞ」
と、お誘い下さったので、
今年2013年は、3月、6月、10月、11月、
毎回泊めていただきました。
お子さんと遊んだり、音楽の話をしたり、料理をしたり、
楽しい時間を積み重ねてきました。

ちょっと前の話になります。
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これは仙台在住のカメラマンの友人・沼田君が撮影した写真で、
2011年5月16日、牡鹿半島小渕浜での光景です。
「出産 HELP」
震災直後にここが孤立した緊迫感が、
ひしひしと伝わってくる写真です。

震災の後、多くの被災地で病院不足に悩まされました。
治療を求める人は内陸の病院に通院したり、
沿岸部から引っ越す人もいました。
あれから2年半。
今では多くの病院も復活して、人も戻ってきています。


2013年12月1日の夜中に、
遠藤さんの奥様は破水して入院しました。
出産予定日よりも9日早いできごとでした。
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一人目の子を出産した病院は津波被害にあい、
もう営業していません。
実はこの産院も、
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津波で1階は被災しました。
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僕のようなよそ者が復興について語るのは、はばかられるのですが、
町に子供の声が響いて、病院が機能始めた時に、
ある段階の一つをクリアした気がします。

もうすぐ産まれる赤ちゃんの顔を見たかったのですが、
出産はいつになるかわかりません。
翌日には東京で仕事があるので、
この日のうちに帰京しなければいけないので、
みんなにさよならを告げて、産院をあとにしました。
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病室で記念写真を。
安産をお祈りして、
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す、すんません、駅まで車で送っていただきました。
「大丈夫ですか、奥様のそばにいらっしゃったほうが、」
「まだ陣痛も始まっていないので、明日とかだと思いますよ」
経産婦なので、ご家族みなさん余裕でした。
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遠藤さんのご実家にもよって、お母様にご挨拶して。
ごちそうさまでした、だけを言うつもりが、
干し柿までいただいてしまいました。
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東北本線・鹿島台駅。
ここでさよならです。
もうすぐ、お兄ちゃんになる3歳児は、寝てました^^
とても人なっつこい子で、
毎朝6時に、
「おーじーさーん、あそぶよー」
と大きな声で起こしに来てくれます。
ところが今回から、
「せきがーわーさーん、あそぶよー」
と名前も覚えてもらえました。
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多くの命をうばった大震災ですが、
震災がなかったら、きっと出会うことがなかった人々。
そして来ることもなかった駅。
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さっき紹介した、「出産 HELP」の写真には後日談があります。
2011年の6月。
ボランティアチームのリーダーが、瓦礫撤去作業で、
朝早くに小渕浜に行くと、
赤ちゃんを抱っこしたお爺さんが散歩していました。
話を聞くと、
「出産 HELP」の文字に気づいたヘリコプターに搬送されて、
無事に産まれた子だそうです。
この知らせは朝のミーティング、
そしてリーダーのブログですぐにボランティア仲間に伝わりました。
当時、ずっと胸につかえていたトゲの一つがとれた思いでした。

さて、東北本線に乗って仙台まで行くのですが、
塩竃駅まで沼田君が車で迎えに来てくれました。
そこで美味しいお寿司をご馳走になり、
仙台に行き、カフェで色々な話をしました。
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仙台は大きな街です。
この街にも津波はきました。
そんな話をしていたら、
遠藤さんからメールが届きました。
「無事に女の子が産まれました」
おめでとうー、え、鹿島台の駅でわかれて4時間後、
あー、それだったら石巻に残っていれば〜
まあ、こればっかりは仕方ないんですけどね。
と、悔やみながら、
仙台駅で沼田君とわかれて新幹線に乗りこみ、
メタリカ聴いているうちに、あっという間に眠りに落ちました。

Obligation to survive
We hunger to be alive

 Through the never より


これで12月の活動報告を終わります。
お世話になった関係各位に心よりお礼申し上げます。
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by moonisup | 2013-12-12 09:54 | volunteer


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