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2006年 09月 20日
Royal Academy of Arts Modigliani and His Models
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ロンドン滞在三日目の午後。
Royal Academy of Arts(王立美術院)へ。

Modigliani and His Models
(モディリアーニと彼のモデルたち・展)
2006年7/15から10/15まで開催。

(今日は絵の話のみ、ロンドン観光の話はゼロです、、)



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僕がはじめてモディリアーニの絵を見たのは小学生・低学年の時、
母に連れて行かれた耳鼻科の待合室だった。
待合室に飾ってある小さな額を示して、
モディリアーニの「黒いネクタイの女」という絵で大好きな絵なのだ、
と説明してくれた。
ただ、小学生の僕には陰気な絵としかうつらなかった。

アメデオ・モディリアーニは、肺結核、アルコール中毒、薬物、で、
36歳で亡くなっている。
存命中、彼の絵は世の中にあまり理解されず、
死後、人気になった。
彼の人生は波乱・過激に満ちていて、不幸な話が多い。
(虚実多いようだ。資料の少ない天才の話は、死後に捏造されやすい。)
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モディリアーニの絵は、ひと目でわかる。
顔と首が異様に長く、瞳を描かないことが多い。
現実離れした描写、絵の中の女性達は一見、無表情だ。
それでも、うっとりするほど美しい。
彼女たちの魅力はすばらしく、すいこまれるように見入ってしまう。

ブラウスを着ている女性がいる。
そのブラウスの質感は、とても丁寧に描きこまれている。
布の肌触りまで、つたわってくるようだ。
他にも衣装など、緻密に描かれているものが多い。
胴体のバランス、パースが正確でいて、それでいて首と顔が長かったり、
絶妙にデフォルメされている。
そんなアンバランスさが、作品全体で見ると、とても輝いて見えるから不思議だ。

モディリアーニは、瞳を描かないと言われているけど、
そんなことはなかった。
最愛の妻・ジャンヌの肖像画があり、瞳を描いているのとそうでないのがあった。
瞳を描いていない作品のほうが、ジャンヌは美しく見えた。
瞳を描いてある絵は、それも美しいのだけれど。
その絵は、ジャンヌのためだけの作品という感じがして、
僕が見てはいけないような気がした。
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写真で女性を撮って。
その瞳の部分だけをぬりつぶしたら、とても気味悪いものになるだろう。
絵は、画家は、かくも自由だ。

初めて見た彼の自画像。
ああ、いい男だなあ。やせていて神経質そうな。
茶色が多い絵なのに、鮮やかに青が、目にとびこんでくる。
彼は青が好きだったのかなあ、と思う。

彼の作品は、30歳から36歳の6年間に描かれたものが多いそうだ。
わずか6年で、これだけの作品を。
絵の中にいる女性たちは、とびきり美しい。
意地悪そうな視線。
はにかんだような姿勢。
まっすぐに立ち、首だけ傾けている仕草の可憐さ。
どれも魅力的だ。

図録やポストカードでみると、印刷だとつぶれている黒が、
実際の作品をみると、細かい丁寧なグラデーションで描かれている。
ああ、きれいな色だな。

土曜日の午後で、とても混んでいた。
ここのカフェで一休みしかったけど空席もなく、並んでいる人もいたので、
テイト・モダンに移動した。

(つづく)
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by moonisup | 2006-09-20 22:53 | travel


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