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2008年 09月 07日
![]() カメラに新しいフィルムを装填して、カウンターを0にセットする。 被写体を探し光の方向を見て、どう撮るか決めて、カメラをかまえる。 構図、ピント、絞り、シャッター速度、被写界深度を考える。 36枚なんて、あっという間だった。 巻き上げレバーがぐっととまる手応えがあると、 あわててフィルムを巻き取り、次のフィルムを装填する。 急ぐ必要なんかまるでない時でも。 デジタルになっても、さしてかわらない。 36枚があっというまだったように、1ギガのカードなんてすぐにいっぱいになってしまう。 写真を撮ることはいつだって楽しく、カメラさえあれば退屈しない。 ![]() うまく撮れないとき。 自分の力が及ばない時はとても悔しくて、かなしい。 そして自分が手をぬいた時。 どんなものを撮っても、そこに写っているのは、その時の自分自身だ。 人からどんなにその写真を誉められても、 ふっと、もう一人の自分が後ろから襟首をつかんでささやく。 「おい、それでいいのか、あんな写真でいいのか、 おまえ、もっとちゃんと撮れたろう?あれがおまえの写真なのか?」 その怖さと後悔の念はずっと消えない。 ずっと写真を続けていると、ごくまれにある。 「ああ、いい写真が撮れたじゃないか、頑張ったじゃないか、これいいよ。」 と、思える瞬間が。 でも、その気持ちは持続することなく、すぐにその写真に飽きてしまう。 時間がたてば、 「なんだ、あんなのはたいした写真じゃなかった」 と思い、目に触れない場所にしまいこむ。 だからこそ、またカメラをもって出かけることができるのだ。 一生満足しないから、一生続けられるのだと思う。 カメラマンをしているというと、 「カメラが好きなんですね?」 と聞いてくる人がいる。 もちろんカメラは嫌いではなく、大切な道具だ。 でも、極端なことを言えば、カメラでありさえすればなんでもいいのだ。 シャッターを押して写真を撮ることができるものなら。 カメラが好きなのではなく、写真を撮ることが好きなのだから。 好きなもの・20 :->
by moonisup
| 2008-09-07 19:11
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